
上場企業の監査報告書に署名する公認会計士のうち、最も多くの監査報酬を獲得したトッププレーヤーは誰か。ダイヤモンド編集部では特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』と題し、集計データを公表してきた。#24の本稿では、準大手監査法人の中で総売上高が同規模の仰星監査法人、東陽監査法人、三優監査法人に所属する公認会計士を対象に集計し、ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男、データ担当/編集委員 清水理裕)
準大手3法人に所属する
公認会計士127人の最新序列は?
準大手監査法人を総売上高順に挙げていくと、太陽有限責任監査法人、仰星監査法人、東陽監査法人、三優監査法人の四法人となる。この中で、太陽は他の3法人と比較すると3.7倍以上も大きく、ずぬけた存在感を放つ。
一方で仰星、東陽、三優は、総売上高がほぼ同レベルだ。それぞれ2024年6月期は48億4903万円、47億7485万円、46億3928万円となった。
そんな準大手3法人に所属する公認会計士のうち、上場企業の監査報告書に署名している公認会計士は127人いる(仰星49人、東陽42人、三優36人)。その序列はどうなっているのか。
ダイヤモンド編集部では、上場企業の監査報告書に署名している全ての公認会計士2364人を対象に、各上場企業が有価証券報告書で公開している「監査証明業務に基づく報酬」を分析した。
まず監査証明業務に基づく報酬を、その企業の監査報告書に署名している公認会計士の人数で割り、各公認会計士の報酬獲得額を算出。その額を公認会計士ごとに集計して「監査報酬獲得額」とし、額が多い順に並べ、順位付けした。本稿では、その中から仰星、東陽、三優に所属する公認会計士を抜き出し、ランキングを作成している。
ランキングを見る上で注意したいのは、監査報酬獲得額がその監査を行った公認会計士の年収とは直結しない点だ。監査法人にはそれぞれ報酬制度があり、それによって公認会計士の年収が決まっている。
また、実際の監査証明業務は、監査報告書に署名した公認会計士だけで行われているわけではない。署名している公認会計士以外に、若手公認会計士やスタッフら数十人が関わっている。監査報酬獲得額は、署名した公認会計士の力だけで獲得したとは、必ずしもいえない。
それでも本特集で、署名した公認会計士が監査報酬を獲得したと見なしたのは、個人として訴訟リスクや、金融庁からの処分リスクを負っているためだ。

仰星、東陽、三優に所属する公認会計士の最新序列とは?次ページで一挙公開する。