公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング#16Photo by Yoshihisa Wada

2023年12月に大手監査法人のPwCあらた有限責任監査法人と準大手の一角であったPwC京都監査法人が合併してから約1年半。監査法人業界を取り巻く環境が変化する中で、どのような合併メリットを実感しているのだろうか。特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』の#16で、久保田正崇代表執行役に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

PwC Japan発足から1年半
得られたメリットは?

――2023年12月、PwCあらた有限責任監査法人と準大手のPwC京都監査法人は合併し、PwC Japan有限責任監査法人が発足しました。約1年半たちましたが、合併前と比べてどのようなメリットが得られていますか。

 同じPwCグループの法人でしたので、実は合併前から両法人でコラボレーションしていました。ただ、法人が分かれているが故にいろいろな制約があった。それがなくなり、本当の意味で必要なコラボレーションがいつでもできるようになったと思います。人材も共有できるようになりましたし、そこは合併によって得られた大きなメリットだと実感しています。

――制約とは、どのようなことなのでしょうか。

 例えば誰かがある仕事を、PwC京都に手伝いに行くとなると、法人が違うのでいちいち契約書を作らなければいけなかったのです。あるいはITツールを共有したいと思っても、これも共用手続きを行う必要があったわけです。

――監査法人にとって、規制に対応し、高い品質の監査を行うための人的あるいはデジタルのリソースを充実させることが共通の経営課題です。その点については、合併したことでどのような影響がありましたか。

PwC京都は規模の割に、グローバルで展開する大企業の監査を多く担う法人として知られていた。PwCあらたは合併で、そうした大企業クライアントを獲得し、またPwC京都は規制強化で複雑化する監査に対応できるリソースを手に入れた。ただし、監査法人同士の合併は通常の株式会社の合併にはない、特有の難しさも指摘されている。内実はどうだったのか。次ページでさらに詳しく話を聞いた。