7月、コンサルビッグ4の一角であるPwCコンサルティングの新CEOに、安井正樹氏が就任した。そこで今回、ダイヤモンド編集部では、安井氏へのインタビューを実施。長期連載『コンサル大解剖』では、安井氏のインタビューを複数回にわたって掲載する。前編となる本稿では、同社のビジネスの概況や今後の注力分野について聞いた。安井氏は、PwCコンサルの人員数が5000人を突破したことに加え、引き続き「2桁成長」を目指す考えを明らかにした。今後の成長にあたり、安井氏は「王道のコンサル」というキーワードを掲げる。その中身とは。
PwCコンサルは売上高1000億円
人員数は5000人を突破
――昨年の大竹伸明前社長のインタビュー(『PwCが「5年後に売上高倍増」へコンサル大増員!トップが明かす秘策の全貌』)では、2023年6月期時点で売上高1000億円を達成見込みとのことでした。足元の業績はいかがですか。
おかげさまで、ビジネスの調子は非常にいいです。もともと1000億円は一つの節目でしたが、それ以降も相変わらず継続してダブルディジット(2桁)の成長ができています。今年7月に大竹政権を引き継いでから、プラン通りにビジネスを拡大できている状況ですね。
――人員数の状況はいかがですか。
月によって変動はありますが、基本的に5000人は超えています。大きく減る兆しはありませんし、採用自体も堅調に進んでいます。今後も、ダブルディジットに必要な人材は継続して採用していくので、人員数も5000人を超えてそれなりに伸びていくと想定しています。
―― 一口に「ダブルディジット」といっても幅がありますが、その中でもどれくらいの成長率なのでしょうか。
すみません、ダブルディジットとしか申し上げられないのですが(笑)、もちろん20、30%ではないですね。ただ、実は、そもそもダブルディジットでいくらの成長をするという目標が正直あるわけではないんです。
われわれは、コンサル市場の伸び率が大体8%ぐらいだと見ています。基本的には、この市場の成長率をアウトパフォームするというのが重要な目標値です。だから、「2桁は死守する」という成長プランを描いているということなんですね。
次ページでは、安井氏が挙げる“PwCコンサルが注力するポイント”について解説する。海外やミドルマーケットといった新たな領域の開拓に加え安井氏が強調するのが、「王道のコンサル」というキーワードだ。