公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング#25Photo:DEV IMAGES/gettyimages

上場企業の監査報告書に署名する公認会計士のうち、最も多くの監査報酬を獲得したトッププレーヤーは誰か。ダイヤモンド編集部では特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』と題し、集計データを公表してきた。#25の本稿では、総売上高10億円以上の中堅監査法人10法人に所属する公認会計士を対象に集計し、ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男、データ担当/編集委員 清水理裕)

中堅監査法人10法人に所属する
公認会計士192人の最新序列は?

 上場企業の監査証明業務のシェアは四大監査法人が約7割、現在は4法人ある準大手監査法人が約1割、中小監査法人が約2割だ。その中でも、中小監査法人は年々シェアを上げており、その役割と存在感は増している。

 その中でも、総売上高10億円以上の中堅監査法人10法人に所属する公認会計士のうち、上場企業の監査報告書に署名している公認会計士192人を対象に、序列を調査した。中堅監査法人10法人は、売上高が多い順にアーク有限責任監査法人、監査法人アヴァンティア、RSM清和監査法人、監査法人A&Aパートナーズ、Forvis Mazars Japan有限責任監査法人、Mooreみらい監査法人、ふじみ監査法人、ひびき監査法人、かなで監査法人、監査法人東海会計社だ。

 ダイヤモンド編集部では、上場企業の監査報告書に署名している全ての公認会計士2364人を対象に、各上場企業が有価証券報告書で公開している「監査証明業務に基づく報酬」を分析した。

 まず監査証明業務に基づく報酬を、その企業の監査報告書に署名している公認会計士の人数で割り、各公認会計士の報酬獲得額を算出。その額を公認会計士ごとに集計して「監査報酬獲得額」とし、額が多い順に並べ、順位付けした。本稿では、その中から前述した中堅監査法人10法人に所属する公認会計士を抜き出し、ランキングを作成している。

 ランキングを見る上で注意したいのは、監査報酬獲得額がその監査を行った公認会計士の年収とは直結しない点だ。監査法人にはそれぞれ報酬制度があり、それによって公認会計士の年収が決まっている。

 また、実際の監査証明業務は、監査報告書に署名した公認会計士だけで行われているわけではない。署名している公認会計士以外に、若手公認会計士やスタッフら数十人が関わっている。監査報酬獲得額は、署名した公認会計士の力だけで獲得したとは、必ずしもいえない。

 それでも本特集で、署名した公認会計士が監査報酬を獲得したと見なしたのは、個人として訴訟リスクや、金融庁からの処分リスクを負っているためだ。

図表:中堅10法人所属公認会計士「監査報酬獲得額」ランキングトップ30(サンプル)

 中堅監査法人10法人に所属する公認会計士の最新序列とは?次ページで一挙公開する。