
上場企業の監査報告書に署名する公認会計士のうち、最も多くの監査報酬を獲得したトッププレーヤーは誰か。ダイヤモンド編集部では特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』と題し、集計データを公表してきた。#22の本稿では、太陽有限責任監査法人に所属する公認会計士を対象に集計し、ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男、データ担当/編集委員 清水理裕)
太陽監査法人所属88人の最新序列は?
監査報酬獲得額ランキング
太陽有限責任監査法人は近年、業界の中で最も勢いのある監査法人だ。四大監査法人が、継続監査期間が長期にわたっていることや、監査を引き受けるリスクが高いことなどを理由に手放した上場企業を次々に獲得している。
監査証明業務と非監査証明業務を足した総売上高は前期比6.89%増の179億9125万円(2024年6月期)となり、他の準大手監査法人である仰星監査法人、東陽監査法人、三優監査法人の3倍の規模にまで成長している。23年12月に行政処分を受けたが、勢いは衰えていない。
そんな太陽監査法人に所属する公認会計士のうち、上場企業の監査報告書に署名している公認会計士は88人。その序列はどうなっているのか。
ダイヤモンド編集部では、上場企業の監査報告書に署名している全ての公認会計士2364人を対象に、各上場企業が有価証券報告書で公開している「監査証明業務に基づく報酬」を分析した。
まず監査証明業務に基づく報酬を、その企業の監査報告書に署名している公認会計士の人数で割り、各公認会計士の報酬獲得額を算出。その額を公認会計士ごとに集計して「監査報酬獲得額」とし、額が多い順に並べ、順位付けした。本稿では、その中から太陽監査法人に所属する公認会計士を抜き出し、ランキングを作成している。
ランキングを見る上で注意したいのは、監査報酬獲得額がその監査を行った公認会計士の年収とは直結しない点だ。監査法人にはそれぞれ報酬制度があり、それによって公認会計士の年収が決まっている。
また、実際の監査証明業務は、監査報告書に署名した公認会計士だけで行われているわけではない。署名している公認会計士以外に、若手公認会計士やスタッフら数十人が関わっている。各公認会計士の監査報酬獲得額は、署名した公認会計士の力だけで獲得したとは、必ずしもいえない。
それでも本特集で、署名した公認会計士が監査報酬を獲得したと見なしたのは、個人として訴訟リスクや、金融庁からの処分リスクを負っているためだ。
太陽監査法人に所属する公認会計士の最新序列とは?次ページで一挙公開する。
