2023年の3月には株価が4万円台まで高騰しました。それが瓦解した折には、「急に株が安くなったので、思ったようにベネフィットが出ませんでした」などと言って、元本割れが起こるのです。そのときのために、最初から「元本割れする場合もあります」と書いてあるので、それに関して誰からも文句は言われない。株価が最高値の4万円越えをしても、結局は、マネーゲームです。
株価にしても投資にしても、すべては結果論。「今、4万円になった。せめて2万円のときに買っておけば倍になったな」と思うじゃありませんか。それではしかし、後の祭りです。それではというので、4万円のときに、「2年後には6万円になるかな」と思って買ったら、だいたい暴落します。それで、せっかくのお金がみんなパーになるということに……。
ですから、そういう悔しい思いをしないためには、はなから手を出さないことです。「せめてあの時に買っておけば、いま2倍になったのになあ」と、結果から見て思うことはよくあります。それが投資というもので、綿密な調査と相場勘でも持っていれば、そりゃ儲けられる。
しかし、少数の人が莫大な儲けを手にするというのは、結局多くの人が損しているということの裏返しだから、そうそう金儲けの話などは転がっていないと思ったほうがよい。たとえば金地金の相場なんかも、これでもし40年前に100万円分くらい買っておけば、今ごろは200万か300万にでもなったでしょう。
しかし、40年前にはそんなこと思いつきもしなかったのだから、まあ後の祭りです。そのころ、たんまりと「お手許金」を持っていて、なおかつ目端のきいた人は、40年後の今時分には、そうとうの儲けを得て、ニコニコしてるでしょう……けれども、それを今から再現しようってわけにはいきません。あくまで結果論であって、遡及性はないのが、こういう話の根幹ですからね。