大人と子どもだけでなく
同年代同士でも要注意

【シーン(19) 対面 みんなやってることだよ】
男性 キスしてもいいよね?
女の子 え……でも……(怖い)
男性 だって恋人同士なんだからさ
女の子 まだしたことないし、心の準備が……
男性 大丈夫。付き合ってるならみんなやってることだよ
シーン(19)で女の子が「(怖い)」と思ったところに同調した人。そういう気持ちになること、あります。次の「心の準備が…(できていない)」と言ったところに同調した人。そういう気持ちになること、自然です。自然なのですが、ここでぜひ、考えてほしいことがあるのです。それは、自分の思っていることを相手にどう伝えるか、ということです。
このシーンの男性はずるいですよね。女の子がはっきり言えずためらっている間に、どんどん説得してきます。
性的グルーミング(編集部注/わいせつ目的で若者をてなずける手口)では、大人が子どもをだますという手口が社会的には問題視されていますが、私の経験からすると、シーン(19)のような場面は、子ども同士や、少し年の離れた先輩と後輩といった関係性の中でも起きています。
そして、「……」となって何も言えない間に、相手に押し切られてしまうことが多いのです。被害にあいそうになったら、「Say No(いやだと言う)」「Run(にげる)」「Tell(だれかに相談する)」が大切と言われていますし、私自身も、いやだと言いましょうとお伝えしてきました。
ただ、そもそも「No」を言えるか、というところに課題がある気もします。
そこで、どうしたらいやだという気持ちを相手に伝えることができるのかを考えてみたいと思います。いくつかアイデアを出してみましょう。