自分が興味のあるものであっても、「こんなこと言うと、友達から後ろ指を差されてしまうかも」「家族に反対されるかも」と思えば、それを口にすることはできません。口にしたとたん猛反対をくらい、ひどいときには人格否定までされ、延々と説教をされるかもしれないと感じます。

 となると、そういう「周囲が求めないゴール」は目指さなくなります。自分の中で「やりたいけれど、人に言えない、相談できない」と押し殺してしまうわけです。

 ぼくらの中にそうした押し殺してきた欲求があります。

 他人からバカにされそうと思って言わずにあきらめたことがあります。そもそもそんなことを目指しちゃいけないと思って選択肢から外した夢があります。

 それらが、ぼくらが人目を気にせず、本心からやりたいと感じていることです。

 受験戦争に勝ち残り、一流企業に勤め、出世競争にも勝ったのに、幸福感を抱いていない人は大勢います。それは受験・就職・出世は、本来自分がやりたかったことではないからです。

 でもここで「バックパッカーになって、死ぬまで世界を旅したい」と言うと、周囲から猛反対を受けるし、バカにされるかもしれないと思って言わなかったのです。そこにこそ、まだ目を向けていない本当の自分のゴールがあります。

人に言えなかった
「願望」に目を向ける

 なぜ、これまで人に言えなかった願望が大事なのか?

 その理由は、その願望にあなたがこれまで本気で向き合ってこなかったからです。正確に言うと、本気で向き合うことができなかったからです。そして、その願望を実現させるために何も努力をしてこなかった(できなかった)からです。

 要は、「手つかずの願望」なのです。

 みんなが臆せず人に言える願望、いわゆる一般的な願望は、すでにあなた自身も目標とすることができ、これまでそれに向けて努力をすることができました。すでにいろんな成果を得ていることでしょう。