「なんで私たちには、イケメンで、金持ちで、やさしい男が来ないのかねぇ~」という、なかなか哲学的な問いから始まり、自分たちの容姿を分析しています。

 ぼくが言うのもおこがましいですが、普通に「きれいな人」だと思いました。ただ、次のような発言が気になりました。

「この前、イケメンの金持ちっぽい人が声かけてきたけど、騙されてるかと思って、スルーしちゃった」

 なるほど、だからこの2人には「白馬の王子様」が来ないんだなと感じたのです。

 その「イケメンの金持ち」がどんな人かはわかりません。しかし「イケメンの金持ち」に出会いたいと願いつつ、同時に「イケメンの金持ちは私を騙す」と思っていそうなのです。

 もしそうだったら、絶対に出会うことはありません。出会っても、スルーしちゃうわけですから。

 多くの人が、ほしいものがありつつも、実はそれを避けています。お金持ちになりたいと思いつつ、お金持ちに悪いイメージを持っています。仕事で成功したいと思いながら、マネージャーや経営者を嫌っています。

 もしそうだとしたら、望みつつも忌み嫌うという、相反する感情を抱くことになり、絶対にその状態になることができません。アクセルを踏みながら、同時にブレーキを踏んでいる状態ですからね。

「相反する感情」の
発生メカニズム

 でも、なぜこんな矛盾したことを考えるのでしょうか?

 この相反する感情は、もともとは妬みからスタートしています。つまり、こういうことです。

「自分は○○になりたい!」

「自分より先に、あの人が○○になっちゃった!」

「うらやましい!くやしい!!!」

「なんだよ、あいつ!っていうか、○○の人って、実は嫌な奴多いよな~」

 このような流れで、自分が憧れていたその「○○」に悪いイメージを持ち始めてしまう。本当はすごくほしいのに、「あんな奴と一緒にされたくない」と表面的に嫌ってしまう。