これまでの対応が十分だったのかを問われると、「『またかよ』って思われるぐらい、各国に情報提供はしてきた」と答えつつ、「十分だったかどうかと言うよりも、しっかりとサポートすることで、参加国の構想に近い形で実現できるようにしたい」と語った。
建設が遅れた要因は
万博協会の説明不足?
関係者の焦りは消えなかった。
吉村は26日に府庁で開いた定例会見で、「理想論とか根性論だけじゃなくて、あるべき工期のスタイルを考えるべきだ。タイプAで完全にやり切ることに固執しすぎると、うまくいかないのではないか」と述べた。
一方で、開幕の延期や参加国のタイプAからの撤退については否定した。
建設が遅れた要因はいくつかあった。
その1つは、万博の準備期間が通常より短くなったことだ。登録博と呼ばれる大規模な万博は5年に1度開かれ、4月ごろに開幕する。だがアラブ首長国連邦(UAE)で開かれた前回のドバイ万博は、暑さ対策のために開幕を半年遅らせ、コロナ禍の影響でさらに1年延期。21年10月1日~22年3月31日という会期になった。結果として通常よりも1年半も後ずれしたが、大阪・関西万博の開幕時期は変わらなかった。
各国ではドバイと大阪・関西の両万博で、同じチームが準備を担っていることが多いという。ドバイ万博が終わるまでは、大阪・関西万博への対応を本格的に進めることができず、急ピッチの準備を強いられた。
結果として日本のゼネコン各社では、次のようなことが起きていた。
・ホームページ記載のメールアドレスに「パビリオンのご相談」といったメールがいきなり届くが信憑性が分からない
・本物かよく分からない海外のプロモーターが会社に連絡してくる
・設計図ではなくイメージ図だけ見せられ、材料も内装も分からないのに見積もりをしてくれと言われる
・日本の建築基準に適合するのか判断できる材料がないのに契約を求められる