自分の「運」を拓いていくために
人と接するときに意識すべきこと

書影『「運」を味方にする人の生き方』『運を味方にする人の生き方』(致知出版社)栗山英樹、横田南嶺 著

横田 鎌研ぎの名人の話を聞いたことがあります。その人がなぜ名人かというと、どんな下手な人が研いだ鎌でも自分には及び難い点を1つ見つけることができるからなんです。

 人間は他人が自分より劣っているところは簡単に見つけられるんですよ。でも、人を見て、この人には自分には決して及ばない優れたところがあると認めるのはなかなか難しいものです。

 いろいろな人に会えば、時には、この人とはあまり馬が合わないなと思うようなこともあるでしょう。そういうときに、私はこの鎌研ぎ名人の言葉を思い出して、絶対にこの人の中にも自分には及ばない何かがあるんだと思うようにしています。実際にそれを探すつもりで接していると、本当に1つぐらいは必ずいいところが見つかりますよね。

栗山 ああ、いい話ですね。そういう姿勢で人と接することによって、自分の運も拓けていくものなのかもしれませんね。

横田 ええ。出逢いというものが人の運命を変えていくことは明らかでしょうね。