
「次はどの大学が募集停止に追い込まれるのか」なんていう声が薬学部/薬科大学関係者の間で上がっている。
何しろ、姫路獨協大学が今年4月から薬学部の募集を停止したのに続き、24年には福島県の医療創生大学が26年度から薬学部の学生募集停止を発表し、去就が注目されていた千葉科学大学が沖縄の大城学園に身売り、いや、設置者変更を申請、という騒ぎが起こったばかりだからだ。
その趨勢を占いそうなのが、先頃発表された今年の第110回薬剤師国家試験の成績だ。大学別新卒の合格者数では私大56大学の成績は7164人が受験し、6045人が合格。06年度に薬学6年制(国家試験は12年3月)になって以来、合格者数は過去3番目の少なさだった。だが、内容は近畿大学の95.93%を筆頭に北里大学や九州医療科学大学、立命館大学など合格率90%台の薬学部/薬科大学は13大学に上り、80%台では25校を数えるという立派な成績だ。
一方、6年前の入学者数、その後の修学状況を加えて対入学者合格率を算出したのが、次ページの表だが、すると、まったく別の顔が見えてくる。対入学者合格率では合格率90%台はゼロ。トップは北里大学の86.45%で、80%台は5校に過ぎない。逆に下位を見ると、対入学者合格率50%を切る大学が19校にも上る。少子化がますます進むなかで、次の薬学生募集停止に追い込まれる大学が出てきてもおかしくない……。