「薬剤師国家試験合格率○%」――。学生集めのために薬学部は国試合格率を宣伝文句にうたうが、これだけでは薬学部の質は分からない。国試を受けずに退学してしまう学生もいるからだ。特集『新・理系エリート』(全59回)の#23では、全国74薬学部について、2017年入学者の23年5月時点における「退学率ワーストランキング」を作成した( ダイヤモンド編集部 野村聖子)。
6年間での退学率が高い
薬学部ランキング
6年制の薬学部は、言わずもがな薬剤師を世に送り出すために存在する。従って薬学部の実力において、薬剤師国家試験の実績が重要になるが、それだけで薬学部の質は測れない。私立大学の場合、成績の悪い学生を留年・退学、もしくは卒業試験に落第させて国家試験を受験させないようにして、合格率を上げるという裏技が横行しているからだ。これは薬学部だけでなく、医学部・歯学部でも常套手段となっている。
これまで全国の薬学部は、在学6年の間にどのくらいの留年・退学者が出ているのかを明らかにしてこなかったが、2021年から文部科学省が退学率の公表を始めた。
次ページでは、23年10月に文科省より公表された最新の資料を基に作成した全74薬学部「退学率」ランキングを公開。今回ワースト1位になった大学は、なんと6年間で約半数が退学していた。