銀行実力番付2025#8Photo:sakchai vongsasiripat/gettyimages

国内金利の上昇により、銀行間の実力差が鮮明になってきた。本業利益と有価証券運用の両面で好調な銀行がある一方、債券の含み損の拡大や預金流出に直面する銀行も目立つ。そこで、2025年3月期の最新決算を基に、三つの評価軸で「銀行実力番付2025」を作成した。特集『銀行実力番付2025』の#8では、中部編の総合ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

3指標4年分で銀行の実力を評価
中部の地銀19行「総合ランキング」の結果は?

 金利上昇が追い風となった2025年3月期決算。銀行業界全体は利ざや拡大で好業績に沸いた。

 だが、金利上昇の恩恵が全ての銀行に行き渡っているわけではない。預金金利は各行横並びで上昇する一方、貸出金利は銀行の規模や信用力によって差が生じやすく、収益格差はむしろ拡大傾向にある。

 さらに、決算では見えにくいリスクも静かに膨らんでいる。金利上昇によって保有債券の含み損が急拡大。株価下落も加わって、水面下で痛手を被った銀行は少なくないのだ。

 金利上昇の恩恵とリスクが交錯する中、ダイヤモンド編集部は銀行の実力を測る「銀行実力番付2025」を作成した。

 評価指標には「本業利益率」「運用総合利回り」「預金増減率」の3項目を採用。いずれも銀行の規模に左右されないよう、指標は全て“率”で統一し、最新の25年3月期を含む直近4年間の実績を基にスコア化した。

 本稿では、中部の地方銀行19行を対象にした総合ランキングをお届けする。

 3月には、静岡銀行・山梨中央銀行・八十二銀行の3行が包括業務提携を締結し、「富士山・アルプスアライアンス」を発足。県境を超えた連携強化により、生き残りを懸けた次の一手を打ち出した。さらに4月には、新潟県の第四北越フィナンシャルグループが群馬銀行との経営統合に向けた基本合意を公表。地銀再編の動きが、いよいよ本格化している。

 こうした再編機運の高まりの中で、浮き彫りになったのが地銀各行の実力差だ。中部の総合ランキングの結果は、上位と下位の実力差が如実に表れた。

 その中で、ベスト1位に輝いたのはどの銀行か。片や、金利上昇の追い風を生かせず低迷を続けるワースト1位は。次ページで公開する。