株主からの評価が低い「地銀頭取74人ランキング」2位阿波銀行、1位は?株主賛成率とPBRで判定!Photo:PIXTA

頭取に対する株主の目は年々厳しくなっている。そこで株主賛成率とPBRを使い「市場からの評価が低い頭取ランキング」を作成。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#4で、株主から「頭取失格」の烙印を押される危険性の高い頭取を炙り出した。果たして1位になった頭取は?(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

就任期間の株主賛成率とPBRで
株主からの評価低い頭取ランキングを作成!

 2024年6月に開催される銀行各行の定期株主総会前、地方銀行業界内ではマイナス金利解除で業績浮上の期待感とは裏腹に、例年にない緊張感が漂っていた。

 低ROE(株主資本利益率)やPBR(株価純資産倍率)1倍割れなどの従来の問題だけではなく、純資産に対して過大に保有する政策保有株式が、新たな問題として指摘されていたからだ。

 地銀株を大量に保有する日系の生命保険会社は、スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)にのっとって議決権行使を行うようになり、もはや株主総会で何でも賛成票を投じる“与党株主”ではなくなった。もし取締役の選任議案で賛成率が50%を割り、頭取失格の烙印が押されるという前代未聞の事態が起これば、銀行の信用にも傷が付くことになる。

 そんな不安の中で迎えた株主総会本番、頭取失格を宣告されるという最悪の事態は起こらなかったものの、地銀各行に対しては株主から厳しい評価が突き付けられた。

 24年6月開催の株主総会で選任対象となった地銀頭取は76人。その中で一時的に国が議決権の過半数を握ったじもとホールディングス傘下の仙台銀行ときらやか銀行の2行の頭取を除く74人のうち、4人が株主からの賛成率が80%を割ったのだ。

 英国では株主総会で株主からの賛成率が80%を切った場合、その取締役は株主に対して対応策を説明しなければならないという。日本ではそれは求められていないが、この4人は反対している20%の株主が納得できる説明をする義務はありそうだ。

 ただし、この厳しい株主からの評価は、ここ数年だけの話かもしれない。そこで74人の頭取を総合評価すべく、在任期間中に選任対象となった株主総会での株主賛成率を集計し、在任期間の株主賛成率を算出。さらに24年11月末のPBRを使って、「市場からの評価が低い地銀頭取ランキング」を作成した。

 上位にランクインした、株主からの評価が低い頭取の面々とは?次ページで一挙公開する。