ただ単に、誰の話でも原則、ノーと言わないだけのこと。反論するには、根拠を用意しなければならず、けっこう疲れます。その上、相手はおおむね不愉快に感じ、心証点が下がる。労多くして功少なし、でしょう。

 ただし、1つだけ例外を設けておきます。

 それは、「自分の業務が増えるような場合」のみ、上手に反論をすること。余計な仕事の話が湧き起こった時は、それこそ頭をフル回転させて、以下の構文に当てはめ、反論をしてみましょう。きっと心証は良く保たれます。

めんどくさい仕事を回避しつつ
心証をアップさせる構文を紹介

「賛成します。ただ、○○のところだけが気になります」

 これでひとまず時間を稼ぎ、その間に相手を見ながら「私だと、△△の部分で無理が出ます。せっかくいい案なのだから、もったいない気がしますねぇ」と結ぶ。

 この時、「私よりも××さんが向いている」という話は厳禁です。そこで名前を出した人はあなたに対して必ず悪い心証を持ちますから。ただ単に、私ではもったいないから、他を当たってほしいと伝えるに留めます。結果、上司は一旦引き下がり、周囲へ仕事の打診をすることになるでしょう。

 その後に、「それでも君にやってほしい」と言われた場合はどうするか。ここは潔よく請け負いましょう。その前の段階で、上司からの要望を受け入れる同僚も多いだろうから、本来来るべきだった仕事は半分以下に減っているでしょう。

 そして、自分がそれをやらなければならなくなった時は、実に快く請け負い、そこでも心証点を稼ぐべきです。

 最後に残ったピースを自分が請け負って、仕事は完遂できたこと。そして、上司の悩みの種も解消できたこと。こうした点をしっかり理解してもらい、自らの存在感を大いに高めることにしましょう。

 心証点稼ぎで重要なのは、「空き時間」の有効活用です。本当に業務がスカスカな時間帯があれば、そこで心証点を稼ぐ行為をどんどん行いましょう。

 たとえば電話取りなどがそれにあたります。これは、年齢や役職が上がるほど、「そんなこと自分がやれるか!」となりがちですが、そんなプライドは捨ててください。暇ならやればいい。