要は、どちらも低い確率で成果の芽とリスクの芽が並んだ場合ですね。
両方ともやらなくて済むならそれが一番ですが、余裕があるのであれば、私は「リスクの芽を摘み取る」方に力を注ぐことを推します。「大きな成果を残せる可能性」は、好業績を狙う人がやればいいのです。静かな退職者は、静かな毎日を送ることが最大の目標なのだから、ぜひともリスクテイクを優先してください。
たとえば、「あそこに顔を出しておけば、ゆくゆくは大きな仕事がもらえる可能性がある」という場合と、「あのクライアントは気難しいので、ご機嫌伺いをしないと、えらいことになる」だったら、選ぶのは後者です。
ここまでで、最小の投資により、最大の心証点を稼ぐことが可能になるでしょう。
さらにもう少しだけ、基本原則を書いておきます。まず、「高い確率で業績につながる可能性が見える」仕事はしっかりやること。
そして、評価や業績に関しては「下位3割には入らない」こと。この2つを念頭に置いてください。「下位3割に入らない」よう意識していれば、うまくいかなかった時でも、下位2割に入ることはないはずです。
本当に仕事のできない人は、「ほとんど成果の上がらないタスク」に力を入れていたり、かすかな成果を追いかけ、リスクの芽をほったらかしたりしています。そういう人よりは、あなたの行動は合理的であり、成果獲得可能性が高いのですから。
厄介な仕事こそ蜜の味
1粒で何度も美味しい!
さあ、続いて応用編です。ここからは、組織の中で存在価値を保つための処方箋となります。この際重要となるのは「メリハリ」という言葉に集約されるでしょう。
顧客やタスクをどれも同じと考え、自分の労力を公平に注ぐのは厳禁。ツボとなるところに集中し、あとは簡素に終える。
この「ツボとなるところ」は、営業なら「売上の大きい重要顧客」、内勤なら「部署の最重要ミッション」となるのは当たり前なのですが、あともう一つ、「厄介な仕事」を挙げておきます。