
嵩役・北村匠海さん
屋村役・阿部サダヲさんから学んだこと
『あんぱん』の中で極めて重要な場面を担った千尋。中沢にとって朝ドラ体験は、たくさんの先輩俳優に囲まれて、刺激になったという。
「初めての朝ドラでしたが、錚々たる大先輩方が、僕のやりたいことを受け止めてくださって。その大きな器のなかで、自由にやれました。ゆくゆくは僕も、そういうふうに受け止められる役者になっていきたいという目標ができました。
嵩役の北村匠海さんとは本当にいろいろな話をしました。兄弟役なので距離を縮めたほうが空気感も出るので、僕も積極的に話しかけていました。共通の話題は、アクションのことで。僕はアクション作品が好きで、匠海さんはいろいろなアクション作品をやられているので、そういう話を。
『あんぱん』の中でも兄弟喧嘩のシーンがありましたし。前蹴りのときは、腰から蹴りを出すとか、そういう専門的なことを教えていただきました。話を聞いた後、アクション作品の見方も変わって、本当に充実していました。

芝居で印象に残っているのはヤムさん役の阿部サダヲさんです。阿部さんにしかできないであろう独特のお芝居を間近で見られる贅沢さがありました。とても面白い表現をされるし、引き出しも多い。見ているだけで本当に勉強になりました。
千尋はヤムさんに大事なことを言ってもらえて、堅い千尋が柔らかいヤムさんにほぐしてもらったり助言してもらったりするところもあって。そういう場面でとても影響を受けました」
『あんぱん』での経験が今後に多大な影響をもたらすと感じている。
「この経験を生かし、『あんぱん』の現場を超える現場体験をたくさん踏んでいきたいと思います」
ところで。ロールパンナちゃんが好きだったという中沢。ある記者の「朝田三姉妹の誰が好みですか」(羽多子やくらまで範囲を広げても構いません)という質問に、「え、誰だろうなあ、難しい」と迷いながら、「のぶさんですかね、元気で笑顔が素敵だなと思います」と最適解を出した。さすが。
