たった1つ意識するだけ!「病気知らずの高齢者」がやっている「正しい歩き方」とは?【医師が解説】同書より転載 拡大画像表示

 実際、1日に1万2000歩以上歩いていたのに、骨粗しょう症になった人がいます。この人は旅館の女将さんで、館内を歩き回ることで、1万2000歩に達していました。しかし、運動強度が足りなかったのです。

 骨に刺激を与えない生活は、骨粗しょう症のリスクを高めます。いくら歩数を稼いでも中強度活動がゼロでは、骨への刺激にはならないのです。

 また、この人は屋内での歩行だけで、外に出ることがほとんどない生活を続けていたようです。

 骨粗しょう症は、日光浴をすることでも予防できます。この人はそれができなかったことで、骨粗しょう症の発症リスクを高めてしまったと考えられます。

 日光浴をすると、紫外線を浴びることになります。日焼けを嫌がって紫外線対策をする人がいますが、まったく浴びないのも健康によくありません。

 帽子をかぶったり手袋をしたりして、顔や手の紫外線対策をしてもかまいませんが、肌の一部が紫外線を浴びるだけでも効果があります。

 国際的なガイドラインによると、骨粗しょう症の予防には、1日15分の日光浴が必要とされています。

 紫外線が有効なのは、骨粗しょう症を予防する栄養素の1つであるビタミンDが皮膚で生成されるからです。

人と会わないと認知症リスクが上昇?
外出することで孤立・孤独も防げる

 さらに、外出しないと、歩きながらの中強度活動である速歩きができません。屋内では速歩きができないので、中強度活動が不足してしまいます。

 外を歩けばどこでも速歩きができますし、紫外線を浴びることもできます。長生き歩きを始める第1歩は外出することです。

 外出することのメリットは、それだけではありません。家の中にばかりいると、人と話す機会が少なくなります。