1人暮らしで自宅に閉じこもっていれば、誰とも話さないことになってしまいます。
人とのコミュニケーションが少ないと、認知症のリスクが高くなるといわれていますが、それだけではありません。
WHO(世界保健機関)は、社会とのつながりの欠如は、喫煙や過度の飲酒、運動不足、肥満、大気汚染などの健康を阻害する因子と同じくらい、あるいはそれ以上の早期死亡のリスクであり、身体的・精神的健康に深刻な影響をおよぼすとして、孤立や孤独に対して警鐘を鳴らしています。
それほど健康にとって、社会とのつながりは重要なのです。
別に友だちに会わなくても、外出してお店に入れば、店員と何かしら会話するでしょう。こうした人とのコミュニケーションが重要なのです。
うつ病の予防には、1日4000歩/中強度活動5分以上が必要です。
そもそも、1日の歩数が4000歩に満たない人は、外出していないと考えられます。1日1回外出すれば家の中の歩きと併せて、4000歩はほぼ間違いなく達成できます。
目的は運動でなくてもかまいません。コンビニに買い物に出かけるという目的でよいのです。
外出して結果的に歩いている状況になれば、人とコミュニケーションをとる場面も必然的に増えてきます。
大股で歩けば正しいフォームになる
歩幅を広げることだけ意識しよう
一般に、健康づくりは長続きしないといわれます。長生き歩きは、2カ月で効果が出てきますが、そこでやめてしまえば元に戻ります。
それよりも、「運動」と構えずに、外出するということから始めてみてはどうでしょうか。それが結果的に、長続きする運動習慣になります。
中強度活動に相当する速歩きとは、なんとか会話ができるくらいの速さで歩く運動です。
このくらいの速さで歩くためには、フォームが重要です。次ページに、速歩きの正しいフォームのポイントをまとめたので、参考にしてください。
正しいフォームといっても、むずかしく考える必要はありません。大事なのは、大股で歩くということです。
歩幅を広げて大股で歩けば、背筋もひざも伸びますし、腕も大きく振るようになります。すると自然にピッチも上がり、歩くスピードもアップします。