オフィスの若いビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

成功者をねたむ冷笑主義は、あなたを成功から遠ざける。がんばる人をバカにする“冷笑社会”を突破し、信頼と成長を得られる「挑戦者」へと変わる効果的な方法とは?※本稿は、山田尚史『きみに冷笑は似合わない。 SNSの荒波を乗り越え、AI時代を生きるコツ』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

勝者をたたえる文化
悔しさを表明する文化

 日本では、成功者をうらやむよりも、ねたむ風潮の方が強いように感じられる。

 別にうらやむべきだとは思わないのだが、勝者を賞賛し、自分もそれに続こうという姿勢の方が、あいつがあの地位にいるのは運が良かっただけだ、とうそぶくよりもよほど好ましい。

 確かに、成功者の多くが「自分は運が良かっただけだ」と言っているのを耳にする。私自身、自分の成功についてはそう思っている部分が大きい。だが、それを本人でなく他人が言うのは違うと思う。

 Netflixで数年前から流行っている番組の1つが、トーナメント形式のリアリティーショーだ。料理、ファッション、バーベキュー、家のリフォーム、菓子作りなど、多様なジャンルで世界中から挑戦者が集まり、1位の称号を目指すといった内容である。毎回、審査員によってテーマが決められ、それに沿った作品を作り、審査員からのフィードバックを受け、その日の脱落者が1人決まる。

 最初は10人くらいの参加者で競い合うのだが、毎回脱落候補の2人が選び出され、このうちのどちらかが今日、この場を去るといった調子で番組を盛り上げる。それが最後の1人になるまで繰り返されていく。