「たとえ、第1志望校でなかったとしても、どこかの中高一貫校には進学させる」ということです。
抽象的で言いたいことが少々わかりづらいかもしれません。こう言い換えてみましょう。
「わが子の6年生の(学力的な)数値状況を冷静に捉えて、『挑戦校』『実力相応校』『安全校』を組み合わせて中学受験の本番に臨むべきであり、合格したら進学することをためらわない学校を安全校に組み込むべきである」。わたしが言いたいのはこういうことです。
これは塾講師として「どこでも良いから合格校を確保して『全員合格』を謳いたい」などという我田引水の価値観で申し上げているのではありません。
先ほど言及しましたが、中学受験は子どもたちの膨大な時間を「奪う」ものです。
「このレベルの学校でなければ通う価値がない」などと保護者が判断し、中学受験結果を受けて地元の公立中学校へ進学、高校受験での「リベンジ」を目指すのであれば、またすぐに塾通いをしなければなりません。
子どもの学生時代を「塾漬け」に…
「安全校」に通わせる価値とは
さらに「このレベルの大学でなければ進学する意味はない」などと保護者は考え、高校入学後にまた塾・予備校に通わせる…。この手の保護者は、中高一貫校はすでに先取り学習をしているため、そこに追いつかなければならないと焦りを覚える傾向にあるでしょうから、こうなるのはごく自然なことです。
もうお気づきでしょう。こうなってしまえば、わが子のティーンエイジは「塾漬け」になります。
塾講師が言うのはおかしいかもしれませんが、受験勉強以外のことに専心する機会をこの時期に失う子は「不幸」だとわたしは考えます。そうは思いませんか?
「いや、そんなこと言われても、わが子が仮に『安全校』に進学したら、コスパが悪いのではないですか?」そんな不安に陥る保護者がきっといることでしょう。