中沢元紀がインタビューで語った
オーディションでの出来事

 中沢元紀のインタビューで、オーディションのとき、「アンパンマンのマーチ」を朗読するという課題があったそうなのだ。そのとき、第54回のこのシーンを中沢に任せられると制作統括の倉崎憲チーフプロデューサーは感じたという。もしかしてオーディションのときも、こんなふうにシリアストーンで歌詞を読んだのかもしれない。

 戦争がなかったら、やりたいことがたくさんあった。

「この戦争がなかったら――」
「この戦争がなかったら――」
「この戦争がなかったら――」

「この戦争さえなかったら!」

 嵩は千尋を抱きしめる。「(やりたいことをやるために)生きて帰ってこい」「生きて帰ってきたら今度こそ自分の人生を生きろ」と嵩は言うが、千尋は「行きます」ときりっと敬礼する。

「行きます」は、第49回で、帰ってくると思っていない意味であると言われていた。それがここで効いてくる。

 中沢元紀のインタビューも併せてお読みください。

 「この戦争さえなかったら――」千尋が兄に語った、ひとりではできない“今生の願い”【あんぱん第54回レビュー】

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主なシーンより

「この戦争さえなかったら――」千尋が兄に語った、ひとりではできない“今生の願い”【あんぱん第54回レビュー】
「この戦争さえなかったら――」千尋が兄に語った、ひとりではできない“今生の願い”【あんぱん第54回レビュー】