新たな夜行特急列車新しい夜行特急列車のイメージ。全席グリーン車の1人~4人用個室でフルフラットになるシートを採用(ベッドは設けないので寝台列車ではない) 写真:JR東日本

JR東日本が2027年春に新しい夜行特急列車を導入すると発表した。折しも6月末、豪華寝台特急として活躍したE26系「カシオペア」が引退する。時代をまたいで、どんな寝台列車が活躍してきたか、代表的な6つを厳選して紹介しよう。懐かしく憧れの的でもある寝台列車は、鉄道ファンならずとも必見だ。(ライター 前林広樹)

外観はまるで往年の「ブルートレイン」
JR東日本から新たな夜行列車が登場へ

 鉄道ファンのみならずコスパの良い旅をしたいと思っている人にも朗報だ。JR東日本は6月10日、2027年春に新しい夜行特急列車を導入すると発表した。

 特急「ひたち」などで使うE657系(10車両)を改造し、全席が個室のグリーン車で、シートはフルフラットに転換できる豪華仕様にするという。定員は120人程度を見込む。ラウンジなどの共用スペースも設けられ、かなり快適な旅行を楽しめそうだ。

 JR東日本の喜瀬陽一社長は、「東京から青森まで(新幹線の)グリーン車で行くと2万3740円。これに若干プラスアルファしたくらいの価格で、ご利用いただける価格設定にしたい」と発言している。1編成のみなので定期運行には期待できないが、大型連休やお盆休み、年末年始の臨時便や東北地方のローカル観光列車への接続を考慮したツアーが新たに設定される可能性が高い。

 折しも6月末、豪華寝台特急として活躍したE26系「カシオペア」が引退する。全個室の寝台車で、フランス料理のフルコースが出る食堂車などの設備を誇る。北海道新幹線が開業する前は、上野から札幌までを走り抜ける寝台特急として、近年は東北や信越でのクルーズ列車として人気だった。

 しかし、1999年登場の同車は老朽化が進んでいた。加えて、カシオペアを牽引する機関車は国鉄時代に製造されたので、運転できる人員も少なくなり、JR東日本の負担も大きくなってしまった。

E26系「カシオペア」E26系「カシオペア」。引退後は埼玉県の鉄道博物館で保存されることに期待したい Photo:PIXTA