伊藤忠・岡藤会長「きれいごとだけではなんともならん」、日本貿易会トップ就任で激白!中東情勢や資源ビジネスへの思いPhoto by Norihiro Okawa

商社の業界団体である日本貿易会の会長に伊藤忠商事・岡藤正広会長CEOが就任し、5月29日に記者会見を開いた。現役トップの就任は異例で、岡藤氏本人にとっても業界団体や経済団体のトップに就くのは初めて。会見では、緊迫化する中東情勢やエネルギー政策といった喫緊の課題に対して持論を語った。連載『クローズアップ商社』の本稿では就任会見の発言内容を詳報し、激動の国際情勢や資源ビジネスに関する岡藤氏の“本音”に迫る。(ダイヤモンド編集部 大川哲拓)

貿易会では“岡藤カラー”を封印?
エネルギー政策への「現実解」を語る

「自分の会社だけじゃなくて、業界全体のことを考えていかなあかん」。日本貿易会の新会長就任会見で、伊藤忠商事・岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)は表情を引き締めて語った。

 同会の会長はこれまで五大商社の第一線を退いた会長らが持ち回りで務めてきた。今回、伊藤忠から会長が出ること自体は慣例通りだが、岡藤氏のように現役トップが就任するのは異例。住友商事の社長だった故宮原賢次氏以来、実に26年ぶりとなった(『伊藤忠・岡藤会長が「現役CEOとして異例」の日本貿易会トップに就任する思惑とは?独自路線を打ち出すかに注目集まる』参照)。

 この点について、岡藤氏は安永竜夫・日本貿易会前会長(三井物産会長)から就任依頼を受けたことを明かし、「『仕事忙しいから』というわけにはいかんですよね。引き受けたからには責任を持ってやらなあかん」と力を込めた。「非資源ビジネス強化」など独自路線で伊藤忠の成長を引っ張ってきただけに、日本貿易会でも“岡藤カラー”を打ち出すか注目されているが、「過去の流れを変えてしまうのは反対」と強調した。

 就任会見では、不確実性を増す国際情勢やエネルギー問題に関する質問が相次いだ。中東情勢については、「チキンレースの様相を呈していて先が見えない」と危機感を示しつつ、「(その中で)一番怖いのは長期的な大きな投資をするというリスク」と述べた。

 また、エネルギー政策についても、「きれいごとだけではなんともならん」と言及した上で、ある“現実解”を示した。

 そもそも、岡藤氏はこれまで経済団体や業界団体のトップを務めたことはなく、業界全体を代表する立場で国際情勢などへの見解を語るのは初めてだ。次ページでは、就任会見の一問一答を掲載。中東情勢や資源ビジネス、有事における商社の役割などに関して岡藤氏が語った内容を紹介する。