大学生のキャンパスライフ写真はイメージです Photo:PIXTA

日本では大学教員に積極的に話しかける学生は少ない印象がある。大学生活の学びが充実している人は、いったいどのような過ごし方をしているのか。教育学博士の筆者が大学教員との交流で得られるメリットについて解説する。※本稿は、濱中淳子『大学でどう学ぶか』(ちくまプリマー新書、筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

大学時代を充実させるコツは
「教員を活用すること」

 大学時代をどう過ごすか。「どの活動をするか」も重要かもしれませんが、ぜひ「どのようなスタンスで臨むか」という視点で考えてみてください。

 自分にとってアウェイとかんじる世界を覗いてみよう。知的刺激を絶やさないようにしよう。大学の先生から踏み込んだコメントをもらえる機会をみつけてみよう。早い段階から研究という営みに関心をもち、先生に相談してみよう。

 こうしたスタンスが、大学時代を充実させる大きな土台になるはずです。

 とはいえ、〈教員を活用する〉ことが大切だといっても、全員がそういった経験を得られるわけではありません。進学する大学や学部、そして関心も人それぞれ異なるからです。

 では、誰でも実践できることは何でしょうか。私が提案したいのは、教員に話しかけるという、きわめて素朴なアクションです。

 一概にはいえませんが、多くの大学は次のような流れでカリキュラムが組まれています。学部の低学年では、専門の基礎的内容を学ぶため、大人数クラスの授業(講義)を中心に受けることになります。

 そして学年が進むと、文系ではゼミナール(ゼミ)、理系では研究室に所属し、少人数による研究活動を軸とした教育へと進展していきます。

 これは入門から応用へという設計ですが、まず確認しておきたいのは、学部時代も後半になれば、おのずと教員との距離も縮まることです。