…と自分で書いていてもバカらしくなってきたのでそろそろやめにしておくが、要するに石破首相が叩かれているようなことは何十年も前から、テレビや新聞で盛んに広められてきた「群馬のパブリックイメージ」なのだ。
バラエティと報道は別組織
そんな言い訳は通用しない
しかも、その中にはマスコミも営利企業であるため「売らんかな」で、過度に「怖さ」「荒っぽさ」「気性の激しさ」「強い女性」を強調した情報もある。
「地域や女性への差別にはあたらないのか」という石破首相への批判は、おもしろおかしく県民性をネタにするテレビ局や、明治時代の群馬女性のイメージをなんの配慮もなくそのまま広めている新聞社に対しても、そのまま「特大ブーメラン」として突き刺さるのだ。
そう聞くと、「バラエティ番組でおもしろおかしくネタにするのとか、新聞が知識として紹介するのと、日本の内閣総理大臣が発言するのはまったく違う!」と反論するマスコミ人も多いだろう。
筆者も若いとき、某キー局の報道部でバイトをしていて後に情報番組で働いたことがあるので、もはや別の組織というくらいカルチャーに隔たりがあるのは身をもって体験しているので、言わんとすることはよくわかる。
ただ、残念ながらそういうことを主張すればするほど再び「特大ブーメラン」がきれいな弧を描いて脳天に突き刺さる。
組織の問題について、「あっちの部署が勝手にやったことなのでこっちは関係がない」などと責任逃れをすることは絶対にやってはならぬ、と厳しく批判してそれを社会に根付かせたのは、他でもないマスコミだからだ。
わかりやすいのは、不祥事企業に対する報道だ。
筆者は報道対策アドバイザーという立場で、これまで多くの不祥事企業の内幕を見てきたが、「社長の命令で社員が不正を行う」とか「会社ぐるみで隠蔽」というケースは少数で、ポピュラーなのは「聖域」になっている部署や、問題社員が不正を引き起こしたり、不祥事を起こしたりというパターンだ。