会見に参加したのは、佐藤恒治トヨタ社長、小木曽聡日野自社長、カリン・ラドストロムダイムラートラックCEO、カール・デッペン三菱ふそう社長の4人だ。
日野自・三菱ふそうの統合は、両社を100%子会社とする持ち株会社を設け、トヨタと独ダイムラートラックがそれぞれ25%ずつ出資する。議決権ベースではトヨタの比率が19.9%、ダイムラーの比率が26.7%となる。これによって、日野自はトヨタの持分法適用外となる。26年4月1日の上場を目指し、新統合持ち株会社のCEOにはカール・デッペン三菱ふそう社長が就任する予定だ。
元々、この日野自・三菱ふそう統合は、豊田章男氏が社長時代の2年半前に、当時のダイムラートラックのマーティン・ダウムCEOから持ちかけられたものだ。長期に及んだ認証不正でブランドが失墜した日野自の単独再生を断念し、三菱ふそうと統合することで世界の商用車業界の中で日野自が生き抜くことを、当時の豊田章男トヨタ社長が決断した。
23年5月末には、日野自・三菱ふそう統合合意を発表する4社の会見も行われたが、その後、日野自の米国などにおける訴訟解決に時間がかかり、最終合意が無期延期されていた。今年1月に米当局と和解したことで、ようやく最終合意への段階に入っていた。
ダイムラートラックは19年にダイムラーの商用車事業会社として分離独立した企業。「商用車事業は、歴史的な変革期にある」(ラドストロムCEO)と生き残りへの危機感を強くする。
中大型トラックの販売規模ではダイムラートラックは世界2位だが、脱炭素対応やドライバー不足を解決する自動運転などCASE技術革新に向けた競争力強化が求められている。日野自が認証不正問題で業績を大きく悪化させる中で、トヨタとしても畑違いの商用車専業である日野自を支えるのは限界だった。
日野自は、一時ダイムラートラックと欧州でライバル関係にある独トレイトン(独フォルクスワーゲンの商用車専業メーカー)との協業を模索したが、ダイムラートラックとの連携を決定したのは親会社のトヨタだった。