センスは生まれつき「ではない」ことを美大で学んだ

沓名:大学って、好きなことだけじゃなくて苦手なことにも向き合わされる場なんですよね。Rellaさんは苦手なことも毎日やり続けたから、その回り道が結果的に財産になっているんですね。私は大学で教鞭を取る立場でもありますが、美大の良さは何より「見る力=審美眼」が育つこと。好き嫌い関係なく、いろんな作品を見て記憶に貯めることで、自分だけのスタイルが育っていくんですよ。
Rella:よく「センスは生まれつき」と思われがちですが、実際は違います。私は絵を描き始めたばかりのころ、「赤いリンゴ」は「赤色」しか見えませんでした。でも色彩理論を学ぶことで、「リンゴの赤を表現するには緑を入れなければいけない」といったことがわかってきました。今ではいろんな色が見えるんです。センスや感覚は訓練を経て成長させることができるんだと思いました。
沓名:それは本当にそう。どんな色をどう重ねれば、本物同様に表現できるか。経験を積むことで、見えてくるようになりますよね。
