沓名:デジタル制作が中心だと、アトリエも画材もいらないから「意外とコスパが良い」というのはおもしろいですよね。コロナ禍をきっかけに美大もオンデマンド化が進んでいて、たとえば私が客員教授を務めている京都芸術大学には通信教育部があり、イラストレーションコースが用意されています。

 デジタルイラストだから、当然パソコンが必要で、さらには教育のDX対応と大変相性が良い。1学科の人数制限もないことから学費も割安で。美大教育も私たちの時代から非常にアップデートされています。

――イラストはデジタル制作だから、オンライン教育もしやすいというのは確かに大きなメリットですね。お話があった京都芸術大学のイラストレーションコースはすべてオンライン教育で、4年制美術大学の卒業資格が取得できる。学費も年間35.5万円と格安です。

イラストレーターはどれくらい稼げる仕事なのか?

――美大を出て、実際にイラストレーターとして働く場合、どのくらいの収入が見込めるのでしょうか?

Rella:イラストレーターは名乗った瞬間から始められる職業といってもいいほど、基準が主観的です。ただ誰でも始められる分、食べていけるようになるには個人の努力が必要です。

沓名:そもそも最初の仕事はどうやって獲得したのですか?

Rella:最初に企業からご依頼をいただいたのは2013年あたり、ちょうど大学生の頃です。pixivを見ていただき、声をかけていただきました。やはり人の目に触れるSNSは大事な営業ツールです。今ではテーマを元にイラストを応募する“イラストコンテスト”といった企画も積極的に開催されており、この企画を通じて企業とマッチングする機会となっています。

――専業のフリーランスとして生活するなら、どれくらい稼がなければいけないのでしょうか?

沓名:フリーランスは一般的に、年収400万円くらいが一つの目安といわれています。月収にすると30万~35万円くらい。これくらい稼げれば、イラストだけで生活していけそうです。