イマドキはSNSの影響力が必須、フォロワー数で単価が上がる
沓名:イラストの単価って、どのくらいなんでしょう?
Rella:それ、よく聞かれますが……私の場合は、“1枚いくら”等、明確に価格を決めておらず、数万~数十万円と案件によってさまざまです。大型の案件ですと100万円を超えるものもあります。ただ、イラストのクオリティ以外にもSNSの影響力を見られることが多く、フォロワー数によって単価は変わります。他の方のお話を聞くと、SNSのフォロワーが10万人を超えたくらいで単価も上がり、仕事も増える印象です。フォロワー数が数十万を超えると、同世代の会社勤めの方よりも年収が高い人が増えます。
沓名:どんな仕事が多いのですか?
Rella:スマホゲームのカードイラスト・キャラクターデザイン・PR、VTuberのキャラクターデザイン、グッズイラストなど、いろいろあります。特にスマホゲームが流行ってから、ゲーム業界はイラストレーターの主要な活動領域のひとつになりました。
対談を元に制作した、イラストレーターのキャリアツリー(協力:京都芸術大学通信教育部イラストレーションコース)拡大画像表示
沓名:そもそも、イラストレーターという職業自体が新しくて、お金の稼ぎ方もどんどん形態が変わっていますよね。一昔前は、雑誌や書籍のカット仕事が中心でした。インターネットとSNSの普及で大きく変化した印象です。
Rella:最近では「Skeb」や「pixivFANBOX」など、新しいビジネスモデルのなかで活躍するイラストレーターも多いと聞いています。クライアントではなく、ファン=個人の支援で安定収入を得る人も増えた印象ですね。
「Skeb」は個人からイラストレーターに発注できるコミッション型のシステムで、「pixivFANBOX」のイラストレーターの活動を応援できるサブスク型のファンコミュニティです。活動の中心をこうしたサービスの収益で設計している方もいらっしゃいます。
Skebは、2018年に創業したクリエイターとファンをつなぐ仲介プラットフォーム。ファンがクリエイターに直接、イラストやボイスなどの作品を依頼することができる。2025年3月時点で月間取引高7億円、総登録者数350万人を超える
pixivFANBOXは、ファンがクリエイターへ一定額の支援を行い、限定コンテンツの提供を受ける、サブスク型のプラットフォーム。2025年に7周年を迎え、ユーザー数は1350万人、登録クリエイター数は25万人を突破している
――イラストレーターに仕事を依頼して報酬を支払うのは出版社などのクライアントだと思っていましたが、こうした新しいプラットフォームができたことによって、ファンもまたクライアントになっているのですね。人気があり、ファンがたくさんいる人でなくては稼げない……SNSのフォロワー数がものすごく重要になってきたというのが、非常によく分かります。







