スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「頑張っているのに結果が出ない人」がやりがちな今すぐやめるべきたった一つの習慣とは?Photo: Adobe Stock

「やり遂げた感」はあるのに、何も進んでいない

 誰かの投稿にコメントしたり、インスタグラムを更新したり、写真をアップして「いいね」がついたり……。

 1日に自分がやったことを振り返って、「今日もけっこう頑張ったぞ」と思ってしまうことはありませんか?

 しかし、「本当にやりたかったことはどこまで進んだのだろう?」と考えてみると、答えに詰まってしまうのです。

SNSは“疑似達成感”を簡単にくれる

 SNSやネット上のやりとりは、即座にリアクションが返ってくるため、脳が「何かを成し遂げた」と錯覚しやすくなります。

 特に、「炎上している投稿に対して正論を言った」「誰かを励ました」「有益なことをシェアした」あとの満足感は強烈なものです。
 まるで本当に“誰かの役に立った”ような、“仕事をやり遂げた”ような気分になるのです。

 でもそれは、本当に自分がやるべきことなのでしょうか? そんな気分に陥るのを防ぐには、どうすれば良いのでしょうか。

「見せかけの達成感」に騙されない

 この“疑似達成感”を断ち切るために必要なのが、「見せかけの達成感」に騙されないという意識です。

戦術:「見せかけの達成感」に騙されない
 
見せかけの達成感は、本当にやりたいことに集中する妨げになる。

――『とっぱらう 自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』より

 これは精神論ではなく、日々の行動を設計し直すための“戦術”です。

 たとえば、以下のような例が挙げられます。

・SNSを使ったあとは、「これは成果ではなく“気分”」と自分に言い聞かせる
・“やりたいこと”が何かを、朝のうちに書き出しておく
・作業のあと、「SNSに投稿したくなったら、作業がまだ終わっていないサイン」と認識する

 このように、達成感を感じる瞬間に立ち止まるだけで、「今のこれは本物か? それとも見せかけか?」と自分に問い直すクセがついてきます。

疲れているときほど、偽物に飛びつきやすい

 やるべきことが多すぎて疲れているとき、人は「手っ取り早い満足感」に吸い寄せられます。
 SNSで相手からの反応を少し得るだけで、「今日はもう十分頑張った気」になってしまうのです。

 本当に人生を変えるのは、“達成感”ではなく“達成”です。
 その違いに気づけるようになるだけで、日々の過ごし方が変わります。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)