激変!3大士業の仕事&稼ぎ方 弁護士 会計士 税理士#13Photo:PIXTA

監査法人と会計士にとって、監査証明業務は“本業”だ。その本業へのコミットメント度合いを測るべく、上場企業の監査を担う115法人の「監査証明業務」売上高を集計し、増収率を算出した。特集『激変!3大士業の仕事&稼ぎ方』の#13では、「監査証明業務」売上高の増収率ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

監査証明業務は監査法人の“本業”
115法人のうち93法人が増収

 公認会計士法の第1条には、公認会計士は監査および会計の専門家として、情報の信頼性を確保し、投資家や債権者の保護を図り、国民経済の健全な発展に寄与することが使命であると明記されている。

 資産運用立国を目指す日本にとって、投資判断のベースとなる財務情報の信頼性は極めて重要だ。監査法人と所属する会計士の社会的責任は、ますます大きくなっている。

 上場企業の監査を担う監査法人は2024年2月時点で133を数える。ダイヤモンド編集部では、日本公認会計士協会が管理する「上場会社監査事務所登録情報」に開示されている監査法人・監査事務所の経営数値を集計。監査証明業務売上高の増収率を作成した。

 監査証明業務売上高は、主に上場企業や非上場大企業の監査業務などで得られる報酬額のことだ。監査法人・監査事務所にとっての“本業”である。増収率は、その本業にどれだけ献身しているかという、コミットメントが表れているといえるだろう。

 ただし、監査法人の間では本業への取り組みを強化したくても、簡単にはいかない状況がある。監査証明業務は若手会計士から人気がないからだ。

 ここ数年、金融当局が進めてきた監査の厳格化により、新たな監査手法の導入が相次いだ。複雑化する監査を、監査意見表明の期日までに終わらせなければならず、監査法人はより多くの会計士を投入。いきおい監査コストが上昇している。

 こうした背景を反映して、監査証明業務売上高の増収率ランキングでは、115法人のうち93法人が前期を上回る結果となった。次ページでは、ランキングの詳細を解説していく。