優先順位を付ける理論として、重要度と緊急度を基準にタスクを分類する「アイゼンハワー・マトリクス」というものがあります。仕事を分類し、重要度、緊急度の高いものを優先して進めようという考え方です。
あなたも、会社の新入社員研修などで教わったことがあるのではないでしょうか。上司からも、優先順位をしっかりつけるようにと、毎日のように言われているかもしれませんね。
でも、そもそも重要度と緊急度の高低を、どう判断すればいいのでしょう?「事件に大きいも小さいもない」という名ゼリフがありますが、「仕事に重要なものも重要でないものもない」のですから。
私も優先順位をつけるのをやめてみました。余計なことを考えることがなくなった分、楽になり、確かに早く仕事が終わるようになりました。
小難しく考えるより動いたほうが早い
大胆なルール変更が
新たな時代を創る
業界には業界の、職場には職場のルール=慣例が存在します。その慣例を守るのは暗黙の了解。ところが、それを無視する人がいました。
あるとき出会った、メーカーの部長。
その業界では、メーカー→問屋→店舗という流れで商品を卸すことがあたりまえでした。しかし部長は、あろうことかその慣例をぶち壊したのです。
この部長は、新入社員のころから、「問屋が入るなんて非効率、めんどくさっ」と考えていました。でも、若手の自分がそんなことを言い出しても聴いてもらえない。だったら早く出世して発言権を得ようと、虎視眈々(こしたんたん)とその日を待っていたのです。
そしてついに、関係者を説得する機会がやってきました。
思いもかけぬ発言に、その場にいた全員、顔面蒼白(そうはく)になったとか。でも部長はひるまず続けました。
「このままだと時代に取り残されますよ」
「ファーストペンギン」だ!話を聴いて、私は思いました。
ファーストペンギンとは、天敵がいるかもしれない海に最初に飛び込むペンギンのように、群れから飛び出して前例のないことにチャレンジする人のこと。
ドラマで有名になった言葉で、リスクがあってもそれを怖れずに革新的な行動を起こし成功した起業家たちが、そう呼ばれるケースが多いようです。
しかし、企業の中にも、この部長のようなファーストペンギンは存在します。
結局、部長の思惑通りに事は進みました。そのときの部長には発言権があっただけでなく、皆を納得させるだけの実績を積んでいました。だから、関係者たちは聴く耳を持ったのです。