部下に相談されても、答えは出さない。細かく指示もしない。挙句のはてに、会議の進行役も部下にやってもらうというマネジメントスタイルを貫いていると言います。
私は驚きました。
チームのビジョンを明確にし、はっきり指示する。仕事の進捗は毎日チェック。そんな丁寧なマネジメントこそが、理想的なリーダーの姿だと一般的には言われており、課長は正反対のスタイルを取っていたからです。
マイペースな印象で、やる気があるのかないのかもよくわかりません。
実は、上司と部下の関係性は良好ならいい、というわけではありません。

上司と部下の関係性が悪いケースだけでなく、良いケースにおいても、部下のストレス度は高くなるという研究結果があるのです。
上司と部下との間に信頼関係が築けると、部下は上司の期待に応えようと頑張ります。それが、ストレスを高めるというのです。確かに、関係性が良すぎると、期待に応えられなかったときの落胆は大きくなります。
最もストレス度が低いのは、ほどほどの関係性のとき。何ごともほどほどがいい、ということなのでしょう。
実際、放任型の課長の部下に話を聴いてみたところ、自分のペースで仕事ができるのは楽しい。なによりガミガミ言われないのは最高だ、とのこと。上司同様、サバサバした人でした。放任もやり方次第では悪くないのです。
ただし、部下が不安にならないよう、方向性を示すことは大事です。
いいかげんのすすめ
手取り足取りは命取り
手取り足取りは命取り