・LTV(顧客生涯価値)
1人の顧客がプロダクトを使い続ける中で企業にもたらす累計利益。サブスクリプション型サービスなら、契約継続によって毎月の利用料が積み重なりますし、上位プランへの移行(アップセル)でさらに増加します。プロダクトが長期的に価値を提供できているかどうかを測る指標です。
・NPS(Net Promoter Score)
顧客アンケートで「プロダクトをどの程度他人に勧めたいか」を0〜10点で評価してもらい、算出する指標。顧客のプロダクトに対する信頼度や満足度を間接的に測定できます。NPSが高いということは、顧客が自信を持って他者に紹介できるだけの価値を感じていることの現れです。
こうした指標の多くは、売上や利益といったKGIでは捉えきれない「プロダクトの本当の健康状態」を示すものです。売上は順調に伸びているにもかかわらず、継続率が低かったり、NPSが下がっている場合、後から顧客離れに直面するケースは珍しくありません。
山登りに例えるなら、売上や利益だけで判断するのは標高しか見ていない状態です。本当に大切なのは、「安全に」「楽しく」「仲間と共に」登れているかどうか、各々が求める価値が満たされているかどうかといった、プロセスや経験の質なのです。
NSMとは何か
「価値の中心」に据える指標の設計
真にプロダクトの成功を定義するなら、どの指標を見ればよいのでしょうか。
プロダクトが価値を届けているかどうか、そしてその価値が再現可能かどうかを示すには「プロダクトそのもの」に目を向ける必要があります。
そこで注目するのが、NSMです。
NSMは、前述したさまざまな指標群のうち、そのプロダクトが「最も価値を提供している行動」を示す、たった1つの中核指標です。プロダクトの性質や提供価値によって、DAUがNSMとなる場合もあれば、継続率やリファラル数が該当する場合もあります。