
「早慶」(早稲田大学、慶應義塾大学)や「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)に比べて学生数が少ないため目立ちにくいものの、成蹊大学は有名企業への就職実績が高い。では、三菱系への就職に強いのはなぜなのか。連載『教育・受験 最前線』では、小学校から大学までを擁する成蹊学園の江川雅子学園長が三菱グループとの“古今の関係”をつまびらかにする。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
MARCHに比べて認知度は低いが
教育・研究で遜色ない自負がある
――規模の大きい首都圏難関私立大学群「MARCH」(明治大学、青山大学、立教大学、中央大学、法政大学)や首都圏中堅私立大学群「日東駒専」(日本大学、東洋大学、駒沢大学、専修大学)に挟まっている「成成明学獨國武」(成蹊大学、成城大学、明治学院大学、獨協大学、國學院大学、武蔵大学)は存在感が薄いのが実情です。
学部や学科によってはMARCHに受かっても成蹊大を選ぶ学生もいます。ハーバードで経済学のPhD(博士号)を取った私の友人が、複数の私学に受かった高校生からどこに進学すべきかという相談を受けたので、カリキュラムを比較して、グローバル水準の経済学を教えている成蹊大を勧めたと言っていました。各校の教育の特徴や実績ではなく、大学群で人気や序列が決まるのって、正直残念です。
小学校や中学、高校から始まった当学園は、大学を主にしたところに比べて小規模であるため、認知度が低い。それが課題であることは確かです。教育・研究の中身や実績では、MARCHと比べて遜色ないという自負があるだけに。
――実際、有名企業への就職率で成蹊大はMARCHに負けていません。なかでも三菱グループへの就職実績が良い。これはなぜですか。
次ページでは、成蹊学園と三菱グループにおける“古今の関係”を江川学園長がつまびらかにする。成蹊大はなぜ三菱グループへの就職に強いのか。また、61年ぶりに新学部を開設する意味を語る。