すると、いずれの学年においても特段違いは認められませんでした(クラメールのV=0.05~0.09、p=0.023~0.841<編集部注/クラメールのV値とp値は、2つの物事の関連性の強さを示す指標>)。
実は、見た目についての意識のみならず、いろいろなものが、時代を経るにつれて都会と田舎での違いがなくなってきていることも知られています。
以前は、テレビの普及や新幹線ができることによって差がなくなったということがその理由として言及されていました。そして今は、インターネットの普及によって、さらに急激に都会と田舎の差がなくなってきたといえるようです。
つまり、インターネットなどの利用により、見た目に関する意識を喚起させるような情報への接触の程度には地域差が生じなくなっているといえます。
都会でも田舎でも変わらず
子どもは見た目を気にしている
昔は、週刊漫画雑誌も田舎では発売の曜日が遅れたりということがありましたが、今は都会かそうでないか関係なく、さらに、国内と海外関係なく、発表されたものは同時に情報を入手することが可能な状況にあります。そのため、どこに住んでいても見た目に関する刺激を同様に受ける状況になっており、そしてその影響を同じく受けているのだといえます。
もちろん、おしゃれのアイテムをお店で購入しやすいか、エステなど店舗でのサービスを受けられる場所が身近にあるかといったことは都会か否かで違いがあることは確かです。
しかし、見た目を意識するということそのものは、2009年の調査の段階ですでに都会の程度で差が認められない状況になっています。
念のため、私がおこなった最新の調査データ(調査A)でも、地域差が無いことを確認してみました。「自分の見た目が気になる」という問に対して「あてはまらない」から「あてはまる」の4件法で回答を求めました。