そのデータについて、住んでいるところを大都市と市と町村で分けて(注2)まとめたのが図2-5です。「ややあてはまる」または「あてはまる」と回答した子どもが7割程度でした。

そして、住んでいるところが都会かそうでないかで違いは確認されませんでした(クラメールのV=0.11、p=0.213)。つまり、都会の方が「すすんでいる」わけではないことが再度確認されました(注3)。そしてなによりも、都会の程度にかぎらず、多くの子どもが見た目を気にしているという実態が再度確認されたといえます。
子が見た目を意識するのは
はたして悪いことなのか?
ここまで、子どもの見た目への意識の実態をみてきました。そこでは、多くの子どもが見た目を意識していることが確認できました。それでは、見た目を意識することをどのように捉えたらよいのでしょうか。
まずはじめに述べておきますが、見た目を意識することは決して悪いことだけではなく、よいことがたくさんあります。見た目を意識することによって、子どもは成長し、自分を育て、そして社会に適応していくのです。
まず、見た目を意識したり装いをおこなったりすることは、自分と向き合い、自分を知り、そして自分を多少変えつつ見せていくという、自分とつきあっていくうえで重要な行為といえます。
注2 ここでは、大都市は、「東京都区部、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市」としています。
注3 このように、感覚や身の回りのことからうける印象を超えて、実態を実証的に確認できるのが、調査の良いところです。
注3 このように、感覚や身の回りのことからうける印象を超えて、実態を実証的に確認できるのが、調査の良いところです。