子どものおしゃれは
誰が参考になるのか?

 たとえば、親の話し方をまねしたり、箸の持ち方をまねしたり、ちょっとした親の振る舞いなどをまねして自分のなかに取り込んでいきます。もちろん、親に限らず、きょうだいのまね、友人のまね、そしてアイドル等のまねをしてモデリングしていくこともあります。下の子が上の子のまねをすることはよく見かけますし、友人のまねをして言葉を覚えることもあります(場合によってはあまり望ましくないこともありますが)。

 そしておしゃれに関していえば、特に母親が日常的に発する外見への態度や装いへの態度、そして実際の装いの行動などが、娘に大きな影響を与えていきます。意図的なものもあれば、非意図的なものもあります。そして、モデリングによるものもあります。

 実際にどのくらい親の影響があるか確認する前に、子どもたちはどのくらい母親をおしゃれの参考にしているか、また、情報元としているかについて確認しておきたいと思います。

 調査Aにおいて、メイクアップについての情報を得ている対象は、「家族」が「YouTube」に続いて2番目に多いという結果でした。これは主に母親と想定されます。また、調査B(編集部注:調査Aとは別に著者が2024年に全国の小学生女子を対象におこなった調査)において、痩せるための方法や体型のことについて話す人や参考にする物などについては、「母親」が一番多く(191名のうち103名が選択)、次の「女の子の友達」(46名)とは大きな差があるという結果でした。

 メイクアップか体型かといった内容によって異なってはいますが、少なくとも小学生においては母親を参考にする人が多いことが確認できます。メイクアップとダイエットでの結果の違いについては、理由が考えられます。

 たとえば、メイクアップや脱毛は母親に聞きにくいけれども痩せることについては母親に話しやすいといったことがあるかもしれません。

 他の調査でも、参考とする対象として母親が挙げられていることが確認できます。たとえば、株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所の調査(注2)によると、年に1回以上スキンケアをする小学生女子がスキンケア情報を教わった相手は「お母さん」(97.3%)が圧倒的に多いことが示されています。

注2 株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所「女子小学生の化粧意識と実態調査」(2013年)