そのため、マンションのほうが価値を残しやすくなります。また、マンションは取引事例比較法に基づいて近い取引価格を査定するのに対して、戸建ては建物と土地の積算価格で査定します。

 将来的な売却を考えた場合も、マンションのほうが売りやすいといえます。

「マンションの寿命はどの程度なのか?」

 という質問を受けることもあります。

 寿命ということに関しては“物理的にいつまで使用できるのか”“資産性はいつまで保てるのか”という2つの視点から見ることができます。

・減価償却で使用される法定耐用年数は47年(鉄筋コンクリートの場合)
・国土交通省の発表による建て替えまでの平均年数は33年

 こうした数字が引き合いに出されることもありますが、これが寿命に相当するのかといえば、そんなことはありません。そもそも鉄筋コンクリートの建物としての耐用年数は120年程度とされ、適切なメンテナンスを行えば150年はもつともいわれています。

 メンテナンス次第だとはいえ、建物としての寿命は100年以上と考えて良いでしょう。

買い替えを前提にするなら
この間取りがオススメ!

 結婚か第一子の誕生でマンションを買い、子どもが小学校に入学するタイミングで、買い替えをする方が多いというのはすでに書いたとおりです。

 賃貸ほど軽いフットワークではなくても、生活に合わせた住居に住み替えながら、その都度キャピタルゲイン(編集部注/不動産などの資産を売却した際に、購入時よりも高い価格で売却できた場合に得られる利益のこと)を得られるならそれ以上のことはありません。

 住み替えたいと思っていながらも値上がりが続いていると、手放すことをためらう方もいますが、ショートスパンで利益確定することを検討しても良いでしょう。

 子どもの成長に合わせた買い替えを前提にした場合、「最初のマンションはどういう間取りにすれば良いのか?」と悩まれる方も多いです。

 子どもが1人でまだ小さいうちは、子ども部屋もいらないので、1LDKでも不自由はありません。ただし、先々の売りやすさを考えるなら一次取得の段階から2LDKを購入しておくのも良いと思います。

 2人目の子どもができることを前提にしたり、売却時のことを考えて最初から3LDKのマンションを買う方もいますが、そうすると使わない部屋ができてしまいもったいないとも考えられます。

 そのあたりのバランスを考えながら決めるのが良いでしょう。