また、スライド扉が図11のような位置にあれば、その前にはソファやテレビは置けないので、配置が限定されます。

 窓の前にテレビを置けば、カーテンを閉めないと逆光で画面が見えにくく配置に頭を悩ますことにもなるかもしれません。

スライド扉の
リフォームは要注意

 スライド扉がついた居室があるマンションは少なくありません。

 それには理由があります。

 建築基準法の規定により、採光や換気について居室の条件を満たさない場合には「サービスルーム」という扱いになります。

 普通の扉にするとサービスルーム扱いとなるので、スライド扉にして居室扱いにすることができます。別室(リビング)を通して採光ができるからです。

 2LDKになるか1LDK+S(サービスルーム)になるかが分かれるわけですが、この違いは大きいといえます。2LDKのほうが高く販売しやすいので、居室扱いにできるようにするためスライド扉にすることが多いです。

 スライド扉の部屋がある住戸を購入したあと、普通の扉に替えるリフォームをしようとする方がいますが、そうすると、その部屋はサービスルームの扱いになる可能性が高いので注意が必要です。

 スライド扉がある住戸は人気がないのかといえば、そうとは限りません。

 子どもが小さいあいだは、スライド扉を常に開けておき、広いリビングとして使用することもできます。

 その後お子様の成長に合わせて洋室として使用できます。

 このタイプの住戸は2LDKとしては狭い印象はあるかもしれません。それでも55平米程度の2LDKを買っておけば1LDKよりは売却しやすくなります。

 子どもが成長したり増えたりすれば、理想の間取りは変わってきます。

 住み替えを前提にするなら、最初のマンション購入時点でも、将来的な売りやすさも考慮しておくのが良いです。