また、腸と脳、自律神経は密接に関係しているので、腸が健康だと自律神経も自ずと整います。腸内で消化吸収した栄養分が上質な血液となり全身を巡るため、腸が元気だと血流がよくなり、その結果、自律神経も安定してくるのです。
さらに、自律神経は排尿にも影響し尿トラブルも引き起こします。自律神経が乱れることで尿意を適切にコントロールできず、頻尿や尿漏れなどの症状が現れるのです。頻尿の症状の多くは明らかな原因が見当たらず、「心因性」と診断されます。そういった場合は、自律神経のバランスを整えることが改善への近道です。
自律神経による不調・症状(4)
メンタル
自律神経に特に大きく影響を与えるのがメンタル面です。私たちの日々の気分は、自律神経のバランスによって変化しているといっても過言ではありません。
例えば、ストレスを感じて交感神経ばかりが優位に働くと、神経が興奮状態になりイライラしたり、焦りを感じたりしやすくなります。さらに、夜になっても交感神経が高いままで、副交感神経優位に切り替わらないと、心身がリラックスできず寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりと不眠の症状が現れます。
一方、交感神経が働かず、副交感神経のみが優位になるのも問題です。副交感神経が高すぎると、常に眠気やだるさを感じ、物事に集中できません。これが続くと、抑うつ状態となり、うつ病に発展することも。
また反対に、メンタルが落ち込むことで自律神経症状を誘発することもあります。近頃多い「サイバー心気症」もそのひとつです。サイバー心気症とは、体の不調をインターネットで検索し、がんなどの深刻な病気だと思い込んでしまう心の病。極度の不安が自律神経を乱し、ひどい場合は実際に体に痛みまで感じることがあります。実は、病院へ来る患者さんのうち、何らかの病気が見つかるのはほんの1割。9割は特に疾患のない体調不良なのです。心配な症状があれば、病院を受診して安心感を得るほうが建設的。万が一、病気だとしても、早期に治療すればいいだけです。