「自分が立候補するなんて、ありえない!」と抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、実際に立候補しろ、とは言っていません。「もし立候補したら」と想像することが大事なのです。想像すると、まず、法律の中身が見えてきます。政治が身近になり、選挙で「自分の意見により近い候補者は誰か?」と考えて投票先を選べるようになります。
現行の法律の抜け穴(改善すべき点)も見えてきます。より良い社会を作れるよう、行動に移せるなど、メリットがたくさんあるのです。
選挙は市民一人ひとりにウェルカム
私は、知人との会話がふとしたことから政治関連に流れて盛り上がったとき、「選挙に立候補してみたらいいじゃない」と言うことがあります。とくに若い世代の方には、よく投げかけます。
するとほとんどの場合、「ありえない!」「無理、無理」「ご冗談を!?」というリアクションが返ってきます。
立候補を拒絶する理由の多くは、「だって一般人だし」「政治の素人だから」。たしかに、政治に関心を寄せていても、自分が立候補するイメージは持ちにくいのかもしれません。しかし、最初は誰でも政治の素人です。選挙の仕組みがわからないのであれば、少しずつ知っていけばいいのです。
憲法上は、国民は誰でも選挙に立候補できることになっています。選挙は私たち市民一人ひとりに基本的にウェルカムです。
ここでは、「もし自分が選挙に立候補するとしたら」と仮定して、どんなことを知っておき、どんなことを考えていけばよいのかを見ていきます。
自分が出たい選挙を探してみる
多くの人にとって、選挙は「いつの間にかはじまっている」ものかもしれません。郵便受けのビラが増えた、近所にポスター掲示板が設置された、投票所入場整理券が届いたなどの兆しから、選挙の公示・告示日や投票日を把握していくわけです。
国政選挙ならテレビや新聞の報道から情報をキャッチしやすいのですが、地方選挙は情報が限られている場合が少なくありません。自分が住んでいる地域の選挙であっても内容がよくわからないまま、投票日をカレンダーに記すこともあると思います。