(1)FAQ(よくある質問)ドキュメント
・部下がよく質問する内容をリーダーや先輩がまとめ、「まずはここを見て」とルール化
・FAQを更新可能なファイルや社内Wikiに置き、誰でも編集・追加しやすくする
(2)週1回の質問タイム
・「毎週○曜日の朝30分(または昼休み前、夕方など)は“質問コーナー”」と決める
・部下はその時間までに疑問をまとめておき、リーダーは一度に答えられる質問に答える
(3)ITツールによるQ&Aフォーラム
・社内SNSやプロジェクト管理ツールに“質問チャンネル”を作成し、部下が投稿
・ほかのメンバーが回答することも奨励し、リーダーが常に答えなくてもいい構造にする
これらの仕組みを徹底することで、部下が同じ質問を何度もしてくる無駄がなくなる。さらに、部下同士で「これ、前のFAQに似てるから参照しよう」と助け合う動きが生まれ、リーダー不在でも対処可能となる。
質問フォーマットで「自分なりに考える」習慣をつける
質問対応の仕組み化のコツは、「質問をする前にこのテンプレに自分の考えを書いてきてね」と定めることだ。たとえば、A4一枚のシンプルなフォーマットに以下の項目を記入させる。
・どんな問題が起きているのか(ファクト)
・自分はどう考えているか(感情・仮説)
・試したこと(過去にやった対策や調べた資料)
・リーダーに質問したい具体的内容(例:「決裁をとっていいか」「優先順位をどうすべきか」など)
これにより、部下は質問前に自分で情報を整理し、ある程度仮説を持ってくるため、リーダーは背景を一から聞かずに済む。部下も自然と自分で調べる力がつき、次第にリーダーを頼る頻度が減っていく。
「週1回の質問タイム」のメリット
「週1回の質問タイム」を採用する場合は、次のようなメリットがある。
・時間の可視化
リーダーは一気に対応できるので、自分の他タスクをブロックせずに済む
・知識の共有
同じ疑問を持つ部下がまとめて学べるため、リーダーが同じ話をくり返さずに済む
・新たな問題を発見
質問が集中する領域は仕組みが弱いことを示唆する。そこを改善すればさらに問い合わせが減る
結果として、プレイングマネージャーが「部下への対応にいつも振り回される」事態から解放される。「集中的な時間」だけで部下の困りごとをカバーできるので、自分の仕事を計画的に進めやすくなるのだ。