ペプシコーラ、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットを次々と再建し、「フォーチュン」や「ハーバード・ビジネス・レビュー」が選ぶ世界トップリーダーである伝説のCEOデヴィッド・ノヴァクが、成功者100人から得た知見を『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』にまとめている。本記事では、その一部を抜粋・編集し、「成功し続ける人になる秘訣」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

成果を「自分の功績」にしてしまう罠
「前任者から引き継がれていません……」
「前の担当者のやり方が悪かったんです」
新しい仕事が自分に回ってきた時、前の担当者のせいで仕事が進まない。
そんな経験がある人も多いのではないでしょうか?
ただ、「前任者が悪い」と思っていると仕事は前に進みません。
すべての成果は「土台の上に立っている」
スティーブ・カーは、ウォリアーズを40年ぶりの優勝に導いた名将です。
彼は就任当初、前任のマーク・ジャクソンが築いたチームを批判するどころか、
「チームの土台をつくり上げた」と何度も称えました。
「ジャクソンから、素晴らしいパス回しができるチームを引き継いだからさ」
優勝の瞬間ですら、功績を自分ではなくジャクソンに帰したのです。
真のリーダーは「誰かの努力の上」に立つことを知っている
著者のデヴィッド・ノヴァクも、かつて同じ過ちをしていました。
ケンタッキーフライドチキンの社長に就任した当初、前任者を「売上を伸ばせず、フランチャイズとうまく連携できなかった」と批判したのです。
しかし、あとになって、前任者の努力や試行錯誤があったからこそ、自分がスムーズに仕事を進められたのだと気が付きました。
リーダーに必要なのは、「過去を否定する力」ではなく、「土台を認める目」なのです。
謙虚に受け継ぎ、そこから一歩進めることが、真の成果を生み出します。
成功を継ぐリーダーの共通点
優秀なリーダーほど、成果を「自分だけのもの」とは考えません。
彼らは、前任者、チーム、環境――あらゆる“土台”に感謝しながら、
次の時代により良いものを残すことに集中しています。
本当のリーダーシップとは、「前任者を越えること」ではなく、
「前任者を尊敬したうえで、前に進めること」なのかもしれません。
(この記事は『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』をもとに、一部抜粋・編集し作成しました。)