ケンカをして睨み合う上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

定時で帰る、電話は取らない、メールの句読点をパワハラだと言ってくる。そんなZ世代の言動に、苛立ちを覚える管理職は少なくない。だが、本当に問題なのは若手の側なのだろうか。昭和的なマネジメントこそが、価値観のズレと軋轢を生んでいるとしたら?※本稿は、安田雅彦『世界標準のフィードバック 部下の「本気」を引き出す外資流マネジメントの教科書』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

部下も仕事も抱え込んだ
プレイングマネージャー

 多くの企業を見てきて問題だと思うのは、日本企業の中間管理職、現場の最前線にいるファーストラインマネジャーが、とにかく「忙しい」ということです。

 外資系の場合、マネジャーは、マネジメントという本来の仕事に専念することを求められます。しかし日本の場合、マネジャー自身もほとんどが何らかの担当業務を抱えています。

 つまり日本の中間管理職は、ほぼ確実に、プレイング・マネジャーなのです。

 その状態で、上の組織から下りてくる命令やタスクを受けつつも、部下の面倒も見なければいけない状態に置かれています。

 また、マネジャー1人が抱える部下の数が極端に多い例も頻繁に見られます。

 経営学では、企業内で直接管理できる部下の数は最大で8名程度と言われています。

 これをスパン・オブ・コントロールといいます。

 マネジメントの質を確保するなら、隔週で1on1のミーティングをおこない、1人ひとりの目標設定やキャリアの話をし、進捗状況を上司に報告したり、自分のチームの全体戦略をつくり、他部門との連携をおこなったりすることが必要です。