あなたが怒る必要のあること・ないことは一体何でしょうか。怒る必要のあること・ないことの間にどうやって線を引くかに正解はありません。その線を決めるのはあなた自身です。
ただ、線を引く時に参考にして欲しいことがあります。それはあなたが怒る必要があると考えていることは、「自分にとって、周りの人にとって長い目で見た時に健康的な選択になっているか?」です。
これをアンガーマネジメントでは「ビッグクエスチョン」と言って、大切な基準としています。
カスハラをしている人は、本人は怒って当然だと思っていますが、その言動は先のビッグクエスチョンには当てはまりません。だから「クレーム」ではなく「カスハラ」と判断されるのです。
カスハラを放置すると
組織としての責任を問われる
カスハラへの対策は本来、個人ではなく企業が講じなければいけません。理由はいくつかあります。
まず1つ目は、企業がカスハラ対策をしない場合、安全配慮義務違反に問われる可能性があることです。
次の事例は学校でのケースですが、雇用者と労働者という関係上、あなたの周りでも十分に起こり得る内容と言えます。
〈ケース〉学校教師と児童の保護者との揉めごと
対応:
担任教師は教頭に相談するも、教師自身で問題の解決に当たるように言われる。→学校として問題解決に向けたサポートはなし。→教師は昼夜問わず対応。メンタル不全になり学校を休職。
訴訟:
教師は学校の安全配慮義務違反を訴え訴訟。→学校と教頭は、安全配慮義務違反で敗訴。
理由:
カスハラと思われる事案から従業員を守らなかったため。
対応:
担任教師は教頭に相談するも、教師自身で問題の解決に当たるように言われる。→学校として問題解決に向けたサポートはなし。→教師は昼夜問わず対応。メンタル不全になり学校を休職。
訴訟:
教師は学校の安全配慮義務違反を訴え訴訟。→学校と教頭は、安全配慮義務違反で敗訴。
理由:
カスハラと思われる事案から従業員を守らなかったため。