公職選挙法10条(被選挙権) 日本国民は、左の各号の区分に従い、それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。
一 衆議院議員については年齢満25年以上の者
二 参議院議員については年齢満30年以上の者
三 都道府県の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満25年以上のもの
四 都道府県知事については年齢満30年以上の者
五 市町村の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満25年以上のもの
六 市町村長については年齢満25年以上の者
立候補の要件は「日本国民」であることが前提で、衆議院議員と地方議会議員、市町村長は満25歳以上、参議院議員と知事は満30歳以上です。
住所要件について、国会議員と知事、市町村長には制限がありません。日本国民で年齢要件さえ満たせば、どの選挙区からでも立候補できます。たとえば、東京に住む人が、山口県で立候補しても差しつかえはないのです。広く人材を得て政治を活性化させるため、こうした規定が設けられているのでしょう。
他方、地方議会議員は、「その選挙権を有する者」とあります。選挙権は、公選法9条で見たとおりで、地方議会議員に立候補するには、選挙区内に3カ月以上住んでいることが要件です。地方選挙は国政選挙よりも地縁的社会にベースがあることが考慮されているのだと考えられます。
被選挙権年齢引き下げを求めるアクション
選挙権と被選挙権の年齢要件には、「18歳になったら投票はできるのに、25歳や30歳になるまで立候補はできない」という矛盾があります。年齢が立候補の障壁になっていることに疑問を呈する人たちが行動を起こし、「被選挙権を履行する権利が侵害されている」として裁判が数件起きています。
たとえば2023年(令和5年)、若者の政治参加を促す団体の代表(当時25歳)が、不受理になると知りながら、出身地の県知事選挙に立候補届を出しました。目的は、被選挙権年齢の引き下げを求めて訴訟を起こすことです。