
選挙に立候補するために必要な要件は何か? そしてそこには一体どんな壁があるのか? 前回に続き、弁護士の紀藤正樹さん著『ニュースの「なぜ」がスッキリわかる みんなの政治六法』(青春出版社)から抜粋して紹介します。
立候補するには「年齢」「住所」に要件がある
日本の選挙では、憲法15条によって「成年者による普通選挙」が保障されています。選挙権(投票する権利)は、かつては一定額を納税している男性にしかなかったところから、1925年(大正14年)に納税要件が撤廃され、1945年(昭和20年)に女性にも選挙権が与えられました。
さらに2016年(平成28年)の法改正により、選挙権が満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。選挙権をもつ人の条件は、公選法9条に詳しく書かれています。
公職選挙法9条(選挙権) 日本国民で年齢満18年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
2 〔略〕引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
3 〔略〕その属する市町村を包括する都道府県の区域内の一の市町村の区域内に引き続き3箇月以上住所を有していたことがあり、かつ、その後も引き続き当該都道府県の区域内に住所を有するものは、前項に規定する住所に関する要件にかかわらず、当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有する。 〔略〕
このとおり、「日本国民」は18歳になったら選挙に参加できます。ただし、あくまで選挙権であって、18歳になっても被選挙権(立候補する権利)はまだ得られません。
被選挙権は、公選法10条に定められています。